一次預かりでも特に注意!子どもの転落,1~4歳で多発

子どもが建物の窓やベランダから転落して命を落とす事故が後を絶ちません。
2025年3月、福岡市内のホテルで、4歳の男の子が親の留守中に1人で移動し、転落して死亡したとみられる悲しい出来事がありました。
専門家は「子どもは大人の予想を超える行動をとることがある」と指摘し、十分な注意を呼びかけています。
一時預かりを行う施設でも要注意です。子どもは思いがけない行動を起こすものです。
(※2025年3月24日 朝日新聞の記事を参考に要約しています。)

小さな命を奪った深夜の転落事故、悲劇はホテルで起きた

2025年3月15日の未明、福岡市内のホテルで、父親と4歳の男の子が2人で宿泊中に、男児が転落して亡くなる事故が発生しました。
父親が男児を寝かしつけた後に買い物に出かけ、戻ってきたところ、部屋に男児の姿が見当たらず、ホテル前の道路で倒れているのが見つかったということです。
福岡県警の関係者によりますと、男児は3階に宿泊していたものの、父親の外出後に1人でエレベーターに乗る様子が防犯カメラに記録されていました。
その後、10階の非常扉付近まで移動し、そこから転落した可能性が高いとみられています。

事故を防ぐためにできることとは。小児科医が語る子どもの行動特性

今回の事故について、長野県佐久市にある佐久医療センターで小児科医長を務める坂本昌彦医師は、
「突然親の姿が見えなくなると、子どもは不安に陥り、混乱してしまう場合があります。そのため、親を探そうとして部屋を出た可能性も考えられます」
と説明しています。
また、単なる不安だけでなく、子ども特有の好奇心からくる探索行動の可能性にも言及し、「子どもは大人の予測を超える行動を取ることがあります。
だからこそ、短時間でも子どもを1人にしないよう心がけることが重要です」と呼びかけています。

子どもの転落事故は31年間で170件。ベランダと窓が主な危険箇所に

全国各地で、幼い子どもが建物から転落する事故が相次いでいます。
消費者庁の消費者安全調査委員会は、昨年6月に報道を基にまとめた中間報告を公表しました。
それによりますと、1993年から2023年までの31年間に、9歳以下の子どもが住宅から転落して死亡したとみられるケースは170件にのぼりました。
中でも、1~4歳の年齢層での発生が特に多くなっています。
事故の発生場所については、ベランダが103件で最も多く、続いて窓からの転落が47件と報告されています。
佐久医療センターの坂本昌彦医師は、
「1~4歳の子どもはまだ危険を避ける力が十分に育っておらず、高所から落ちた場合にどれほど危険かを理解しきれていない場合が多いです」
と指摘します。
そのうえで、窓や扉に設置する鍵を子どもの手の届かない高い位置に付けることが、事故防止に効果的であるとしています。


関連記事


病児/一時預かりWEB予約システムランキング【2025年版】


おすすめ記事

ピックアップ記事

  1. 2025.11.22 | 保育関連情報

    食べ物を詰まらせる事故が急増、注意点は?
    子どもが保育施設などで食べ物をのどに詰まらせる事故を未然に…
  2. 2025.10.15 | 保育関連情報

    一次預かりでも特に注意!子どもの転落,1~4歳で多発
    子どもが建物の窓やベランダから転落して命を落とす事故が後を…
  3. 2025.09.16 | 保育関連情報

    こんなときどうする?病児保育の利用判断ポイント
    病児保育を利用できるのはどんなとき?基本的な対象条件…
  4. 2025.09.14 | 保育関連情報

    病児保育が求められる時代へ|導入のメリットと成功事例
    共働き家庭の増加とともに高まる病児保育のニーズお仕…
  5. 2025.08.23 | 保育関連情報

    利用前にチェック!病児保育の流れと必要な持ち物
    病児保育とは?通常の保育との違いを知っておこう病児…