驚き!腸内細菌の量と産後うつは関係性がある?
京都大学の研究グループが乳幼児を育てる母親を対象に行った調査により、産後うつのリスクが高い女性は、腸内細菌のバランスにおいて多様性が乏しい傾向にあることが分かりました。
また、そのような方々は、大豆製品や海藻類、発酵食品の摂取量が比較的少ない食生活を送っている傾向が見られました。
研究チームは、日々の食事内容を見直すことで、うつ症状の軽減につながる可能性があるとしています。
(※2025年10月3日 朝日新聞の記事を参考に要約しています。)
産後うつの現状と腸内環境の関係性とは?
国内で行われた近年の調査によると、出産後の女性のうち約25~30%がうつ状態にあるとされています。
症状は一時的なものにとどまらず、出産後4~5年にわたって続く可能性も指摘されています。
さらに、新型コロナウイルスの流行以降、この傾向が強まっているともいわれています。
また、近年の研究では、腸内に存在する細菌の集まりである腸内細菌叢が、脳の働きや自律神経のバランスに影響を与えていることが徐々に明らかになってきています。
母親の腸内環境とうつリスクに関する驚きの調査結果
研究チームは、全国の保育施設に通う0~4歳の子どもを持つ母親344人を対象に、健康状態や食習慣に関するアンケートを実施しました。
あわせて便の提供を受け、腸内細菌叢の状態を分析しました。
その結果、48人(14%)がうつ病の診断基準に該当する可能性が高い状態であることが分かりました。
さらに、うつリスクが高いとされる人の腸内細菌叢を詳しく見ると、リスクが低い人と比較して細菌の多様性が乏しく、特に酪酸の生成に関与する菌が少ない傾向が確認されました。
食生活にかかわる産後うつ
研究チームは、対象者の食事内容についても詳細に分析しました。
その結果、うつ病のリスクが高いとされる人は、リスクが低い人と比較して、納豆や豆腐などの大豆製品、ヨーグルトをはじめとする発酵食品、さらに海藻類やきのこ類の摂取量が少ない傾向にあることが明らかになりました。
一方で、野菜や肉、魚といった一般的な食材の摂取量については、両者の間で大きな違いは見られませんでした。
専門家が示す食生活改善の可能性と今後の課題
京都大学の明和政子教授(脳科学)は、心の健康と腸内環境の関係については、まだ詳細な仕組みの解明が進められている段階であるとしながらも、大豆製品や発酵食品を意識的に取り入れることで、産後うつのリスク軽減につながる可能性があると述べています。
また、乳幼児健診の機会を活用し、母親の食生活の状況もあわせて確認することで、具体的な改善支援が行えるのではないかと指摘しています。
なお、これらの研究成果は、科学誌「米科学アカデミー紀要ネクサス」に掲載されています。























